時代を視る

2025年11月ニュースレター 時代を視る

2025年11月15日

一般財団法人WIN WIN 代表 山口 積惠

先月のニュースレターを届けてから1カ月たちますが、この1カ月の間、政局はめまぐるしく動きました。10月15日に高市早苗総理大臣が誕生するかと思いきや、直前に26年間連立を組んできた公明党が、自民党の「政治とカネ」問題を理由に連立を離脱すると言い、にわかに野党が動き出しました。その後、自民党は日本維新の会と連立を組むことになり、高市政権がスタートしました。10月24日に国会で行った首相の所信表明に注目した国民は多かったのではないでしょうか。首相は堂々とした口調で「強い経済」「物価高対策に最優先で取り組む」などと表明しました。同時に「防衛費を国内総生産比2%に増額する」「一部外国人による違法行為には毅然と対応する」とも。一方で、維新との連立合意で表明していた「衆院議員の定数削減」に一言も触れなったことが疑問ではありましたが、高市首相に吹いた追い風を痛感しました。その後のASEANの首脳会議では、各国首脳との積極的な外交で、またしてもその存在を強く印象づけました。こうした指導力の強さが60%を超える支持率(新聞各紙による)に繋がっているようです。しかしながら、同世論調査(毎日新聞)では、自民党の派閥裏金問題で不記載があった議員を高市氏が党や政府の要職に起用したことを「問題だ」とした回答が60%にのぼっています。石破政権では起用を見送っていただけに、方針転換の感は否めません。ただ、高い内閣支持率に比べ、なぜか自民党の支持率は上がっていないようです。11月4日、初となる国会論戦でも高市氏は冷静な答弁を重ねていましたが、気になったことの一つに、野党からのトランプ氏のノーベル平和賞推薦についての質問に、回答を避けたことがあります。10月28日に来日したトランプ氏と会談しているので、よもや常に世界中の関心を集めるトランプ氏と何らかの話でも・・・などと思うと、いろいろな意味で、やはり新首相から目が離せません。(理事・甘利てる代)

 

10月18日、赤松政経塾が都内の国際文化会館で開催されました。

第一講義は東京都知事の小池百合子さんです。「赤松先生の思いを受け継ぎながら皆さんが学びを実践につなげておられることを大変心強く思っております」というのが小池さんの最初のことばでした。小池さんの話で印象に残ったことは「日本は上から変えなければ動かない」ということ。具体的には環境大臣時代に「クールビズ」を広めるためにトヨタの奥田さんやオリックスの宮内さん等、まずトップにモデルになってもらい、「トップが率先して変化を示す流れを創った」こと。

また少子化対策にもなる「男性の育児休暇」を推進する上で、「育業」ということばで、企業・職場の理解を推進していることなどです。小池さんは武道の「心・技・体」のことばを大切にしているとのこと、心は「大儀と信念」。技は「智慧と技術」。体は「制度や仕組み」。この三位一体のプロセスこそが人々の共感を呼び、社会を動かす力になるといいました。小池さん流の、社会の動かし方をしっかり塾生たちに伝えていただきました。女性のパワーアップに取り組んできた実践と都知事として目指す事などを、パワーポイントを活用し、中身の濃い講義をしていただきました。

 

第二講義は音楽評論家の湯川れい子さんでした。「今年で89歳になりますが今も現役で仕事をしています。男社会を生き抜いた女としての経験をお話しします」と講義をスタート。1960年の元旦に銀座のダンスホールで偶然出会った青年に誘われ始めて本物のジャズを聴き、「これだ!」と思ったといいます。その後スイングジャーナルへの投稿がきっかけとなり評論を書くようになりました。当時の男性評論家はコード進行とか理論が中心だったけれど、「好き・心が動く」という感覚で語ろうと決めたそうです。やがて作詞家として名前が知られるようになり、日本作詞家協会に入るとそこも男社会。男の人たちの「根回しや派閥」などのやり方に合わせる必要はない。自分のやり方で誠実にいい作品で勝負すれば道は開けると考えてきたとのこと。やがて「女だから感性でいいじゃないか」という空気が逆に自分の武器になったとも。65年自身がやってきた事を一言でいえば「押し活」と語る湯川さん。女は本当に強い。傷ついても立ち上がる。人生を作り直す力があるから人類は続いてきたと語る湯川さん。ういう生き方が「だって好きなんだもん」と、それが私流だと語りました。(理事・渡邉嘉子)