時代を視る

2019年8月ニュースレター 時代を視る N0234号

2019年8月10日

win win代表 赤松良子

2019年は選挙の年だった。4月に地方議会、7月に参議院選挙があった。もう一つの衆議院は解散がなく、同日両院選挙とはならなかったが・・・。政権にとって解散のメリットはないようだから、年後半の解散ということも想定外である。

そこで、昨年成立した「政治分野における男女共同参画推進法」一名、「候補者男女均等法」の成果はどうだったのだろう。総数では女性28名当選、史上最多タイ。ということは、法律ができて一年以上、効果は特にみられない。改選総数に占める割合は22.6%で、目標3割にも及ばず、パリテは、はるか遠い星。先進国の中で、国会議員の比率の低さが原因で日本の女性の地位は最低のランクを低迷しているのは残念という他はない。

では、あの法律は無意味だったということになるのだろうか? それは違うと私は考える。法律の効き目というのはすぐに現れるものではなく、ジワーと効いてくるものらしいということを、私は男女雇用機会均等法の時に学んだ。あの法律ができた直後、女性を採用することに消極的だった企業は、コース別採用という制度をとり入れ、総合職に男性、一般職に女性という採用方法をとって、男女差別という批判を免れようとした。しかし、総合職に女性ゼロというわけにはいかず、男女別という枠を取り払うことにより、結果はジワリと女性が責任のあるポストに進出して行ったのだった。そうすることによって女性の能力を伸ばし、活かすことができるとわかって「目からウロコ」という思いをした経営者もいたはずである。参院選の結果に話を戻すと自公連立で過半数を維持。しかし、憲法改正に必要な三分の二には達しなかった、というのは、実に味のある民意が出ていると私は感心した。現内閣に特に失政は認められないから過半数は確保。しかし、憲法の改正には反対だから、三分の二には届かせない。なるほど、これぞ「見えざる神の手」か。

とすると、女性が増えないのもそれか?一寸待って下さい。それはないでしょう。いやいや、少なくとも女性が減ってはいない。参院選の一人区というところは、ボス的なオジさんが、デンと座っていて、動こうとしないから、そこへ新人(男だろうと、女だろうと)が割り込んでいくのは至難の業なのであろう。年がたって、ボス的オジさんがオジイさんになり、中にはあの世へ去られ、新人のための席が空いた時を待つしかないのでありましょう。気長く、時間をかけて、女性に勉強をしてもらい、優秀な女性を育てて、空いた席へ座れるように準備をしておくということが肝要なのでしょう。

そのためには、卒寿を迎えても、安心できず、今しばらく、がんばるべきなのかしらと、今月(8月)、誕生日を迎えるのにあたって、つらつらと考えているところであります。