時代を視る

2021年7月ニュースレター 時代を視る NO327

2021年8月20日

win win代表 赤松良子

 

7月を迎え、2021年も後半期になった。今年に入ってから、国政選挙はなく、従って政変もなかった。秋には衆議院議員の任期満了となるので、その前に解散ということも多いにあり得ると考えられる。衆議員の任期満了というのは歴史的に見て、滅多にないようなのである。何故なのか? (時の)総理大臣というもの、解散権というものを専権事項として有しているので、これを使ってみたいという誘惑にかられる気持ちがあるようである。議員の方も予想外に早いのは困るが、どうせ任期満了が近いのなら、あの紫色の袱紗に包まれた証書が議長席に静々と運ばれ、「カイサーン」と大声で叫ぶ時の興奮が何とも言えないらしく、心待ちにしている様子があると言う。

いずれにせよ、秋には総選挙があると予期しておく必要がある。そして、その前哨戦と位置づけられて東京の都議会議員の選挙が7月4日(日)にあった。結果は各党がそれぞれ期待していた目標に及ばず失望の色を隠せない模様である。自民党は第一党に返り咲いたものの、自公両党で過半数をとれず、菅首相が応援に行っても人気は大して盛り上がらないという状況が見えてきて、秋の国政選挙での期待もしぼんでいく感がある。

都民ファーストは、小池知事の入院騒ぎもあって前回のような躍進とは全く趣を異にしていた。共産と立憲とは健闘だったが、少数であることに変わりはなく、大勢を動かす力にはなっていない。

一方、女性議員は過去最多の40人台となり、全体の3割に達したのは、2020-30とのかけ声を達成したことになり、成果を喜んでよいのであろう。大切な意思決定の場には、少なくとも女性3割以上を、という願いをこめたフレーズである。

これを前面に打ち出して活動するWINWINが発足したのが1999年だから、当時はまだずっと先の目標だと考えていたのだが、月日の経つのは実に早く、あっという間に2021年になっている。

それなのに、衆議院では女性は1割、参議院でやっと2割というありさま。ヒドイ! 誰が責任をとるのだ、と怒ってみても、それは天に唾するようなもので、自分に降りかかってくるのだ。

我が国の女性の地位の国際的評価は、ずっと100位の大台を切ることができず、90台に行けるかと期待して次の年を見ると、逆に120台になっていたり、全く情けない。4分野に分けて眺めると、健康については文句なく、基礎教育では◎、大学までは〇、だが大学院のレベルでなら△。雇用の分野、管理職のレベルが少ないので△、最後に政治の分野が一番まずい。大都市の東京でやっと2020-30に達したが、全国ベースでは先述のような有様である。これが全体での評価を引き下げる効果を持ち、ドン底での低迷から抜け出せないのである。

日本は世界で先進国だと思っている人は多い。私もそう思えれば嬉しい。だが、女性の地位がこれでは、大きな顔をして先進国でござい、と言えないではないか。

90歳を過ぎて、まだWINWINだクオーター制だなどと騒いでいるのはそのせいである。