時代を視る

2022年10月ニュースレター 時代を視る NO342

2022年10月10日

win win代表 赤松良子

~二つの国葬~

 

9月にはTVで、二つの国葬を見た。一つはイギリス、国葬とは言わないのかも知れないが、国をあげて、亡きQueenに別れをつげる大きな祭りであった。もう一つは、わが国で戦後二回目の国葬ということで、政府が一生懸命P.Rをして、実行した。

この二つ、対照的だと思ったのは私だけではなかったのではないか。

 

イギリスの方は、盛大かつ荘厳で粛々と行われ、費用は勿論莫大だったに違いないが、文句の声はあったのかも知れないけれど、少なくとも、こちらまでは、一切聞こえてこなかった。

 

他方、日本の方は、内閣が国会に相談なく、閣議決定で決めたものに莫大な税金を使ったと批判があがり、メディアもそれを報道していた。

 

その相違、理由は明瞭であろう。一方は、70年の長きにわたり、君臨すれど、統治せずのプリンシプルを良く守り、国民に愛され敬われてきたQueenであった。

他方、日本の方は、首相の座にあった歳月は、わが国の中では長かったが、その業績は功罪ともにあり、特に憲法をめぐっては、改憲をめざす姿勢について肯定しがたい思いをさせられた。

 

60年安保の世代といえば、もはや遠い過去の話と言えるだろうが、「岸を倒せ!」と叫んで国会を取り巻いた大デモンストレーションは、わが国憲政史上最大の盛り上がりだったのではないか。

 

その中で、東大の可憐な女子学生が仲間の圧力に踏みつぶされて死ぬという悲劇まで生んだこと、覚えている人は、もはやわずかとなっているであろうが、あの岸首相は、安倍氏の実の祖父である。これを思うと、何かギョッとするような因縁を感じてしまった。そのおじいさまにとても可愛がられたお孫さんだったという話なのである。

 

それはとも角、安倍氏と旧統一教会との関係というのも、良く分からなくて困るが、これは時間がたてばだんだん明らかになってくるのだろうか?