時代を視る

2023年5月ニュースレター 時代を視る NO349

2023年5月10日

さわやかな季節になりました。「晴れた五月の青空に、歌声高くひびかせて・・・」という歌を口ずさみ乍ら、けやき坂(自宅のそばの並木道)を歩いて今年の初夏を楽しんで居ます。石川地震の被災者の方々にはお見舞い申し上げ、亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

 

5日は「子どもの日」。でもホールに飾られているのは鎧・兜(よろい・かぶと)ですから「男の子の日」ですね。それも武士の戦いの姿ですから、軍国主義時代の名残のようで、平和愛好の国には、似合わないではないかと思います。女雛のペアを並べている人もいるとか、性的マイノリティーの権利を保護せよというのは、時代の要請でもありましょう。

5月3日の朝日新聞には「性的少数者の権利の保護・同性婚」という大きな記事が載っていました。19日から広島で開催されるG7サミット首脳会議で、ジェンダー平等や性的少数者の権利保護について、議長国日本の姿勢が改めて問われるというのです。そういえば、この2月、日本では、政権中枢にいた首相秘書官だった男性が性的マイノリティーの人々について、見るのも気持ちが悪いとか、ひどい差別発言をして批判を浴び、更迭された事件がありました。

私の記憶によれば、同性愛に関しては、歴史的に日本は比較的寛容で、戦国時代まで男色はむしろ、賞用されていた。(女性は戦場に連れていけない)同性愛に厳しかったのは西欧諸国で、これはキリスト教が、性行為そのものに拒否し、子供を残すためのみ許容するという立場をとっていた。イギリスなど、同性愛者は20世紀まで刑事罰の対象になっていたことは小説やエッセーなどで読んで知っている。(オスカー・ワイルド)女性はこの法の適用外なので、同性愛に関しては、明らかな男女差別があった。(女性は得)

どうして、そんな差別を設けていたのか、疑問に思い追究してみたら「女性には性欲がないからだ」という説明だったので、目をパチクリしてしまった。法制定にかかわるのは男性のみだから、こういう根拠のない思い込みが通用するのだ。日本には、同性愛を罰する法令はないから、こんなバカバカしい差別は起こらないですんでいる。

逆に明治民法では、婚外の性行為について、夫は罰せられず、妻は罰せられたが、戦後の大改正で両者とも処罰の対象とならなくなった。(これは「不倫」という変な言葉として流行した時期があった)

 

話はガラリと変って、イギリス。チャールズ国王の戴冠式が盛大に行われた。何しろ前女王は70年に及ぶ在位だったから、長い長い皇太子時代であった。ヴィクトリア女王の治世も65年もあったから、後継のエドワード7世の皇太子時代もすごく長かった。でも考えようによっては、責任の重い王より将来に希望のあるプリンス・オブ・ウエールズ時代と言うのは良い時代なのではないか。ともあれ、遠いアジアの国からも沢山のお祝いが届いていることでしょう・・・。