時代を視る

2016年3月 ニュースレター 時代を視る Vol.192

2016年3月10日

WIN WIN代表 赤松良子

三月が来た。「春は名のみの風の寒」という日が多いが、それでも三日「ひな祭り」、

八日international Woman’s Day と心うきたつ日も多い。戦前の日を覚えている人なら、「地久節」といえば分かるでしょう。三月六日、昭和のころの皇后良子さまの誕生日だった。正しくは「ながこ」と読むのであるが、同日生まれの友人は「良」りょうだし、私も「良子・りょうこ」である。「ひな祭り」は一名「桃の節句」とよばれ、桃の花を飾ることになっているが、これは旧暦の場合は当てはまるのだが、私達が今使っている新暦(太陽暦)の三月三日はまだ桃の季節ではない。ひな壇の下にある左近の桜も無理である。でも近頃は温室栽培が盛んだから、ちゃんと間に合っているようだ。私の子供の頃の大阪では、一月遅れの四月三日に桃の枝を買ってきて「ひな祭り」をしていたと記憶している。あのおひな様も空襲で焼かれてしまったが・・・。

一方、international Woman’s Dayのシンボルは、黄色い「ミモザ」の花である。この日フランスなどでは大勢の女性がみんなミモザの花をかざして行進をするのだという。さぞ華やかで楽しいことだろう。今や日本の女性も国際的になっているから、三月八日に集まって気勢をあげる。今年のテーマは「クオータ制の推進」である。何か黄色いものを持って集る。勿論ミモザの花があればとても良いのだが、町の花屋に無ければ、黄色のスカーフで髪を包んでも、長いマフラーを肩にかけても良いわけだ。私は若い頃着ていた黄色のスーツを探してみたが、それは見つけられなかった。もっともあったとしても、細かった日のものだから、もう入らないことであろうが。

ところで、この日のいわれ(理由)は何なのだろうと考えてみた。ボーヴォワールのbirthdayなのではという説が出たが、彼女の生まれは1908年で‘Day’ は19世紀からあるのだからだめ。おまけにbirthdayは一月九日らしいから、それもでたらめ!始まりは、アメリカ(ニューヨーク)で、工場で働く女性達が、過酷な長時間労働にうんざり、賃金を受け取ってみたら、あまりの低さに怒り心頭に発し、皆で話し合って政治的権利を要求してデモストレーションを敢行したのがこの日だったというのが本当らしい。その時、ミモザを持っていたのかどうか、記録は見つからない。

ともあれ、怒るべきことには怒ろう! しかし会合は楽しく終わる方が良い。それには、集会のあと「ミモザ」というカクテルを飲んで、喉をうるおし、元気に「カンパーイ」と叫ぶのがおすすめでる。(そのカクテルはシャンパンにオレンジジュースを混ぜるだけで簡単に作れるから、どこででも簡単に飲めます。少々甘すぎるので辛党の方には向かないかも知れないが、あとウィスキーででも口直しをすればよいのでは、と余計なお節介ですみません。)正確には、1910年にコペンハーゲンで開かれた第2インターナショナルの女性会議の席上、ドイツの社会主義者クララ・ツェトキンが、アメリカでのこのデモを記念して三月八日を「女性の完全な政治的自由と平等、平和維持のために戦う日」とすることを提案し、設けられたのだということであります。