時代を視る

2017年11月 ニュースレター 時代を視る Vol.213

2017年11月14日

WIN WIN代表 赤松良子

アメリカのトランプ大統領が初めて来日し、安倍首相と首脳会談を行い、ついで、共にゴルフを楽しんだ。安倍首相の祖父岸信介元首相が、招待した米大統領と共にした時のパターン通りである。首相を可愛がって居たおじいさんも、あの世で満足しておられることであろう。ただ、首脳二人とも支持率は低迷しており、日本には、モリ・カケ(森友・加計学園)問題があり、アメリカには直近のニュースで、政権中枢のロス商務長官の「ロシア疑惑」問題に新しい火がついたと報じられた。

米大統領の方は、日本を手はじめに、韓国、中国と歴訪する10日間にもわたる海外出張の予定だというのに、側近や近親にかかわるスキャンダルが表に出ては、旅を楽しむどころではないことだろう。「ロシア疑惑」というのは、大統領選前から、問題視されていたもののようだが、我々の目にはよく見えず、今頃になって、側近に関わりがあるという話しが大きく伝えられてきた。Paradise Papersとかいう文書が大量に流出して、分かったのが、トランプ政権の中枢に居るロス商務長官が、ロシアのプーチン大統領に近い企業と取引があり、大きな利益を得ていたということである。つまり、トランプ氏は側近を通じてロシアから大統領選での資金を得ていたのかという話しになりかねない。パラダイスだか、地獄だか知らないが、とんでもない噂が飛び交うものである。

自分の国のことではないから、知らなくても仕方がないとして、気になるのは2人の女性蔑視傾向である。わが国の首相がこの大統領と共通点がいろいろあるという記事を読んだが、共通点はゴルフと肉好き、それに経済が好調というのがあった。これは結構なことだが、女性観はどうなのであろう? 首相は「女性の活躍の時代」とかけ声はよいが、実際は、どうか。閣僚中女性の割合は? 感心できない。たった2人! おまけに改選後のお二人は良いとして、改選前の防衛大臣はひどかった。おとりまきの可愛い子ちゃんを大臣にしたりしてはいけないという教訓を得られたなら、それはいいが、兎に角2人は少なすぎる。そして自民党の中の女性議員の少なさである。衆議院議員数284人中25人、わずか7.7%で、これを世界でのランキングで見ると、なんと

171位、ワースト・グループに属する。女性が1割にもならないようなのは先進国といえるのか、と言いたくなる。             (次ページにつづく)      日本全体での比率も10.1%で161位とひどいが、これも自民党が足を引っ張っているからだと説明できるのは、他の党はさほど高いとは言えないまでも、共産や立憲は2割台を保っているからである。(別表 添付)「あらゆる分野でリーダーの3割を女性に」は2020年までに実現するのが現内閣の目標だったということを思い出してもらいたい。女性蔑視までトランプ大統領と共通だなどと言われないで欲しいものである。

 

 

 

 

“2017衆議院議員選挙政党別女性当選者&世界ランク比較(193ヵ国中)

クオータ制を推進する会作成”

 
当選者計 女性当選者 女性比率 相当する
世界ランク
自民 284人 25人 7.7% 171.5位
立憲 55 12 21.8 86
希望 50 2 4.0 182.5
公明 29 4 13.8 134
共産 12 3 25.0 71
維新 11 1 9.1 166
社民 2 0 0.0 186
こころ 0 0
諸派 0 0
無所属 22 3 13.6 135.5
465人 47人 10.1% 161位
(解散前) (475人) (44人) (9.3%) (165位)

 

世界ランクのデータは列国議会同盟2017.9現在
「.5」の表示は、中間の位置を示す。