時代を視る

2021年3月ニュースレター 時代を視る NO. 323

2021年3月10日

win win代表 赤松r良子

しばらく前から、本屋の店頭に「90歳、何がめでたい!」という本が平積みで並んでいるのを見かけた。佐藤愛子氏のエッセーである。この著者の父名の佐藤紅録氏、兄君のサトウ・ハチロー氏はともに、私の幼時から親しんだ名だから年代が違うと思うのだが愛子女史は、私とあまり違わないのは、年の離れた末っ子なのだろう。そう言えば、私の長兄だって、30歳近く年が違っていたから、もうとうの昔に、逝っている。

私は、お祝いのパーティーが好きなので、70歳も80歳も、長寿も米寿も、パーティーをし、去年卒寿、つまり90歳のお祝いも友人たちに祝って頂いた。90人での会を目指したが、ピッタリというわけにはいかなかった。

そんな会、招ばれてご迷惑かもしれないが(会費払うのだし)、欠席するのは自由なのだからと反省せず、白寿のパーティーもしたいと思っているが、これは一寸高望みかしら・・・。

考えてみると、80の声を聞く頃から、友人達はどんどんあの世へ逝くようになった。特に男性は、平均寿命が女性より7歳以上も短いのだから仕方がないとあきらめてはいるが、もうゼロに近い状況。悲しい。大学も勤務先も男の多い所だったのに・・・。

「友を選ばば、書を読みて、六分の侠気四分の熱」という歌(与謝野鉄幹)がピタリの友達がいた。大学で一年後輩だったから、卒業して役所に入ったのも一年あと。旧制高校の気分を残して腰に手ぬぐいをぶら下げ、バンカラでおかしがられていたが、仕事はずば抜けて出来たらしく、どんどん上へあがって最高位までいった。

もう一人、私が職場で退屈していると、やって来て、「おい、今夜飲みに行こう」と誘ってくれる男性がいた。こちらは一年上で、

「アカマツー」と呼び捨てだったが、根はやさしく、仕事帰りの一杯はとても楽しかった。

こちらは某大新聞の経済記者。

「馬に食わせるほど(沢山の)原稿を書いた」と言われたほどの腕利き!ほとんど毎晩、夜中まで会社に居て(途中、夕食で一杯やっても)、社の車に乗って遠い郊外の家へ帰っていた。そんな生活だから70代で逝ってしまった。

女性の友人も80歳台前年でなくなった人がいる。それで

 

も夫が亡くなった後、20年以上も生きて、その間に良い仕事をして作品を残し、でも晩年はガンだ、リュウマチだと文句が多かったが、最後には丁寧にお礼を言って亡くなった。

もう一人、女の飲み友達は、テレビのプロデューサーという仕事がら、帰宅は真夜中、待ち時間が長く、その間にウィスキーを飲むので、酒が滅法強く、やっぱり会社を辞めて数年でポックリ亡くなった。この人はまだ60台だったか?

こうしてみると、やはり90歳まで頑張っている人は少ない。私の姉は7歳上だが、もう大分前から病院住まい、だから算に入らないであろう。

「何がめでたい」などと言わず、栄養に気をつけ、運動を欠かさず、生きている友達を大切にして、「90歳、やはりめでたい」と、感謝して暮らすことにしたいと思う。

コロナとやらいう怖いものが流行っている世の中ではあるけれど、三密を避けて・・・。