時代を視る

2023年9月ニュースレター 時代を視る NO353

2023年9月10日

一般財団法人WIN WIN 代表 赤松良子

9月を迎え、初秋の風が快い。「風はひやひや、陽(ひ)はうらら」というフレーズを思い出した。津田時代にルーム・メイトから教わった言葉である。「陽はうらうら」と私が言ったら、「陽はうらら」でないと。七五調なんだから、と直された。その人。私より二歳年上だけだったのだが、教養があったなあ。

東大の文学部を受けるべく、第二外国語としてフランス語の勉強をねじりハチマキでやっていた。その甲斐あって、見事合格! 後に続けと、私はドイツ語で受けようと、近所にドイツ語の専門のヨジさんをみつけて通っていたが、法学部入試は二カ国語ではないとわかり万歳。その代わり、旧制高校で学ぶリン・テツ・ロン・シン・シ(倫・哲・論・心・史)全科目だとのこと。私にとっては、その方が楽。ワンサと本を積み上げて読み始めた。

丁度、その頃、父が大阪から上京してきて、本郷に住んでいる友人の家に、娘が東大に入れたら、下宿させてやってくれと頼んでくれたので、住むところができて一安心。相手は「赤松の娘が東大受かるハズないだろう」と思ったのかもしれない。

確かに兄は5人もいたが、東大なんか一人もいない。私が子どもの頃、父は確か「東大は大嫌いだ」と言っていた。それは「東大出は威張っていて憎らしい」ということばだったので、思いがけず娘が入ったら嬉しくなって、「良子ニ十歳」という肖像画を描いた。(今も我が家のど真ん中にかかっている)結構な親バカですね。

 

話変わって、日中関係、処理水放出問題。反対を無視してやったので、中国が怒って水産物輸出入全面ストップ。ヤレヤレ。私は、毎日のように魚を食べているから、近海の水が安全なのかどうかはとても気になる。中国が買ってくれない魚を私は食べているのかしら・・・。

調べてみたくなっても、ロクな資料は周りにない。お国の政府が大丈夫だと言っているから、大丈夫なのか。それではまるで戦争中みたいではないか。

丁度、今、ASEANの会議がインドネシアのジャカルタであった。日中の首相二人が立ち話をしているのをTVで観たが、内容はさっぱり分からない。記者会見で聞かれても「答えるわけにいきません」と、そっけない。またヤレヤレ。

折角、初秋の快い風から始まった稿なのに、こころよくない終わり方で申し訳ないが、仕方がない。お許し下さい。