時代を視る

2023年2月ニュースレター 時代を視る NO346

2023年2月10日

一般財団法人WIN WIN 代表 赤松良子

~Sisterhood is Powerful~

 

新しい年もあっという間に1カ月が経って、少し退屈していたら、藤田たき先生の養女・恵美子さんから「星野あいの手紙・藤田たきの日記」なる冊子が届いた。

このお二人は、私が卒業した津田塾専門学校(今は大学)時代の恩師で、お二人はまた師弟の関係である。お二人ともとても懐かしい先生で、そのお名前を見るだけで心が震えた。

往復書簡集なら、もっと良いのに、と思うが、それは編者が一生懸命探したが、藤田先生の返信が見つからず、仕方なく今の形にして出版されたのだという。

とに角、星野あい先生のお手紙は、藤田先生が津田=当時は女子英学塾を卒業して、アメリカのブリン・マー・カレッジへ留学のため、横浜埠頭から出発した時のものから始まって(1920年)、藤田先生が婦人少年局長になり、国連総会への政府代表になられた1950年代の終わりまで40年間に亘るものである。

その間、勿論そばに住んで居られた間は文通はないが、こんなに長い間、教え子に対して変わらぬ愛→Sisterhoodを持ち続け、離れている時は週に一度は、いつも楽しく手紙を書き続けられたのだった。

「女性の間には友情というものは育たない」という言葉が、私の若い頃言われているのを読んで腹を立てた記憶があるが、女性の多くが結婚して主婦となり、外との交流を持てず、家事と育児に埋没してしまう生涯を続けていればいざ知らず、職業を持ち、適当に自由時間を持ち、選択の自由があれば、友情というものは必要であり、重要であることは疑う余地がない。少なくとも私自身にとってはそうである。

残念ながら、一人とか二人とかの人に何十数もの手紙を出した記憶がない。ウルグァイ大使時代(3年間)に毎週一度手紙を下さった方があったから、私も返事を書いたはずだが、それはどこへ行ったのか、彼女はもはやあの世にいるので聞く由もない。

とに角、40年に亘って、何百通(いやもっとか)の手紙を書き続け、適度の親しみと愛情を維持した方が、私の良く知っている所にあり、立派なお仕事をして下さったということは、まことに嬉しい。

 

津田塾が、Bryn Mawr Collegeから受け継いだものはいろいろあろうが、‘Sisterhood isPowerful’というideaは、その中で断然輝いていると、私には思える。

あい先生は、そのnameまで、星野であるのは嬉しい。