時代を視る

2018年6月ニュースレター時代を視る NO.220

2018年6月10日

WIN WIN代表 赤松良子

麻生副総理・財務相の進退が問われている。大臣の右腕といえる次官、左腕ともいえる国税庁長官が失脚し、モリ・カケ問題という傷口が治らず、ヒリヒリしているのである。並大抵の神経なら、とっくにお手上げになっているところだが、まだ、やめるつもりはないとがんばっておられる。無理筋なのは、本人にもよく分かっているであろうが、どうしてやめさせてくれぬ人がいるらしい。他ならぬ盟友・総理大臣である。ここで、麻生氏にやめられたら、これまで彼に向かっていた鉾先は全部総理自身に向かってくることになり、とても長くは持ちこたえられないだろうということは素人の目にもはっきり分かる。迷惑だろうが、つらかろうが、ここは一番、土俵際、うんとふんばってもらいたい、そう総理自身も側近達も一生懸命念じておられるのでないだろうか??

国民の立場からは、この事態とても感心してはいられない。国会審議は上の空、なのではないかしらと文字通り‘老婆心’で心配している。労働者として、女性として重要と思える法案がかかっているからである。職場での働き方を規制する法案や、政治の場における男女の機会均等を推進する法案がそれである。

前者は、6月初旬の時点で、すでに衆院を通り、参院で審議中というのであるが、どんな議論があったのか? 以前は、総評という強力な労働組合が、審議会での審議の段階いやもっと早くから、情報を流し、ケンケン・ガクガクの議論を展開したものだったが、今の労働組合は、おだやかというか、静かというか、どんな意見を言ったのか、一向に伝わってこない。こちらが怠けているせいかもしれないから、他人(ひと)の批判はやめておくが、本当に問題がないのか、気になっている。

もう一つの女性関係の方。これは「クオータ制を推進する会」略称「Qの会」が大いに声をあげて応援をしてきた。幸い推進議連という強力な議員連盟が生まれて、中川正春会長はじめ、女性の地位向上に関心の高い議員の方々が多数参加して、頑張って頂いた結果、5月16日、全会一致で可決成立した。

「政治の分野における男女の機会均等を推進する法律」である。1985年に「職場における男女の機会均等を推進する法」が成立してから、30年以上がたっているが、そして、理念法にすぎず、強行性がないなどと批判もされているが、「小さく生んで大きく育てる」は85年法もそう言って批判をかわしてきたのであるから、先行法のように必要な改正をしてより強力なものにすればよいので、ないのとあるのとでは大違いと思うべきである。これを第一のステップとして政党がクオータ制を取り入れて実行してゆけば、雇用の場における機会均等法に実績があがってきたように、なってゆくと期待し希望をしていこう。議員連盟、Qの会その他これまで推進してきて下さった方々に心から感謝し、今後のご声援をお願いするものである。

最後に、5月30日に参院議員会館で行われた制定お祝いの会は、本当になごやかで、あたたかく、そして前向きでよい会であったことをつけ加えさせて頂きたい。