時代を視る

2018年9月ニュースレター時代を視る NO.223

2018年10月9日

win win赤松良子

9月20日には、自由民主党の総裁を選ぶ選挙が行われる。党員でないから、選挙権はないが、これは事実上日本の総理大臣を決めるものだから、無関心でいるわけにはいかない。議員内閣制とかいって、国会で多数を占める政党のトップが選ばれて首相になるというのが決められている。(内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決でこれを指名する。)『日本国憲法第67条』

前世紀には自民党内に大きな派閥が複数存在し、それが互いに自派の領袖を総裁の候補に立てて、しのぎを削って争ったものだった。吉田茂首相の後継争いで、池田勇人と佐藤栄作が争った華々しい闘いは60歳以上の人なら記憶に鮮やかなことであろう。現在の自民党は一強(安倍)のみで、結果は選挙を見ずしてわかっているとやらで、一向に盛り上がってこない。派閥争いの盛んな頃は、困ったものだと思っていたのが、今それがないのは淋しいなどというのは勝手なものだ。しかし、これだけの大所帯なのだから、いろいろな人達を抱えて、中で鍔迫り合いがあって、それでも分裂しないで政権を維持しているというのは、「オトナ」なのだというべきなのか。

それにしても、残念なのは、野田聖子氏が総裁選出馬に意欲を見せたのに、推薦者の数が揃わず、断念したと伝えられることである。当選は望むべくもないとしても、候補者の一人に女性がいるという姿が日本にも出てきて良いではないか。ドイツのメルケル、イギリスのメイ首相とヨーロッパの二大国のトップが揃い、アメリカも今の問題児でなく、あのヒラリーがなっておれば良かったのにと、思われる御時勢なのに! 日本はやはり、政治的には後進国、そのせいで、女性の地位が国際比較指数三桁に低迷しているのである。

長いこと、自民党はおじさんの党(ひょっとしたら、じいさまの党)で、民主党(当時の野党)は若い男の党といわれていたが、今はどうなのか、各政党が党員や出身議員の平均年齢など調べないのか、調べても発表しないのか、最近はあまり見かけないがどちらにしても男の党であることに変わりはない。

共産党は女性の割合が比較的多い様子であるが、この党とても中央へ権力集中が強くて、一般の女性の意見が反映し難いのではないかとの疑問も耳にする。時々、女性だけの党とか、女性中心の党とかが現出したが、党としての実力が未だしの感があった。いずれにしても、わが国の政治は男の世界なのであろう。

新しい世紀を迎え、さらに平成という時代も終わろうという世になる。「女性の活躍する時代」というかけ声は高い。これが、かけ声に終わらない世の中を見られるかどうか、あと一年で90歳を迎えるまでには、とても難しい様子だからもう少しがんばって「時代を視」なければならないのかしら・・・。