赤松政経塾

第十期11月赤松政経塾

2024年11月30日

第十期赤松政経塾

11月23日(土)午後6時より国際文化会館ハイブリットで開催

参加者は25名

第一講義 「ウェルビーイングな社会に向けて」

講師 森澤 恭子さん 品川区長

 

 

森澤恭子さんの講義内容をご紹介いたします。

「時代を視る」から抜粋

森澤恭子さんの「ウェルビーイングな社会の実現に向けて」とした講演は、特に今後のAIとの付き合い方を示唆している内容であったと思いました。森澤恭子区長は都議を5年務めた後に、地域課題を解決する必要性を感じて首長に立候補したといいます。森澤さんは「ウェルビーイングとは心身共に満たされた状態のことを言います。区では令和6年度にウェルビーイング予算を掲げ、区民が幸福を感じ、未来に希望が持てる社会をつくるのが政治と行政の仕事であると様々な施策を行ってきました」と言い、「区民のニーズを政策立案に生かしていくためにはエビデンスが重要であり、区では予算編成に生成AIを活用しました」と説明しました。全区民を対象にしたアンケートの自由意見欄の回答約10万人分、650万文字をAIが分析し、課題を抽出し、優先度の高いニーズを4つの領域に整理したというのです。このアンケートで独自性が高かったのは、区立小・中学校に通う児童・生徒も対象にしたことです。学校のタブレットで回答を得ており、回答率は55.2%でした。こうした自由欄に記された多様なエピソード(ニーズ)を踏まえて具体的な政策になった一つが、夏休みに小中学生1人に対して2kgの米を所得制限なしで支給するというものでした。これは、夏休み中は給食がないので、栄養が不足する子どもがいるというエピソードなどを根拠としたものです。しかも、送るのではなく区内25カ所にある児童センターで受け取るようにしたため、対応した職員の気づきがあり、子どもが持つ課題の早期発見にもつながるといいます。品川区のAIを使った予算編成は、全国初だといいます。人間が行えば膨大な時間が必要となるが、AIではわずか1.5時間だったことや、客観性が高いという点で説得力があります。品川区の取り組みを知るほどに、おそらくではありますが、今後私たちがAIやインターネットと付き合う時には、冷静さが求められていると思うのです。

 

 

第二講義 「女性の働き方と人生100年時代」

講師 渡邉 嘉子さん  (株)ヒューマン・コミュニケーション研究所 所長
「季刊オピニオン・プラス」発行・編集長