
赤松政経塾
第十一期10月赤松政経塾
2025年10月24日
第十一期赤松政経塾
10月18日(土)午後6時より国際文化会館ハイブリットで開催
参加者は50名
第一講義 「東京の世界に誇れる街づくり」

講師 小池 百合子さん 東京都知事

第十一期赤松政経塾・第2回(10月18日)、第一講義は現職(3期目)の小池百合子東京都知事でした。小池氏が足早に会場に入ってくると、受講生から自然に拍手が沸き起きました。受講生の期待感のあらわれでしょう。小池氏は冒頭で、「今日は赤松良子さんの思いを受け継ぎながら、みなさんとの実感につなげたいと思います」と言い「実はニュースキャスターから、当時の日本新党の細川護熙さんから誘われて国会議員になりました」と説明。その後、政権交代を経て、小泉純一郎氏の改造内閣で2003年間から環境大臣の職に就き、2005年には京都議定書発効に深く関わり、「クールビズ」の浸透に努めたことなどを話しました。国会議員として、参議院議員1期、衆議院議員8期を務め、その後、東京都知事選に挑んで当選しました。講義では小池氏は「世の中を変えるには大儀が必要であり、大儀は共感できるものでなければならない」と言います。そして、自身の中の大義として心に留めている言葉は、第七代東京市長だった後藤新平氏の「世の中には大切なものが3つある。第一に人、第二に人、第三に人である」という名言だと語ってくれました。さらに、女性を取り巻く現状の解説から始まり、「雇用機会均等法成立から40年を経て、まだ、家事や育児時間、賃金、管理職の割合など男女格差があります」と言い、都の「女性の活躍に関する条例(案)」についての説明を行いました。この条例案は、女性が活躍できる環境整備を図ることについての基本理念を定め、都や事業者、経済団体、都民の責務を明らかにすることを目的としたものです(罰則は設けない)。中でも女性特有の健康課題への施策は特徴的であり、加えて今ではクールビズという言葉は広く市民に知られていますが、男性の育休に替わる言葉として「育業(いくぎょう)」も広げていきたいという言葉には説得力がありました。条例制定を東京都が行うことで「女性活躍関連の様々な施策が全国に波及していくことを願っていて、なんとしてもこじあけるのが都としての役割だと思う」と小池氏はきっぱり。講義実施の時点では、パブリックコメントの受け付け期間中であったため、小池氏は「大儀と共感を大切にした条例制定を目指します」と明快に語りました(案はその後都議会を経て制定となる)。(理事・甘利てる代)
第二講義 「実践的な男社会を語る」
講師 湯川 れい子さん 音楽評論家

第二講義は音楽評論家の湯川れい子さんでした。「今年で89歳になりますが今も現役で仕事をしています。男社会を生き抜いた女としての経験をお話しします」と講義をスタート。1960年の元旦に銀座のダンスホールで偶然出会った青年に誘われ始めて本物のジャズを聴き、「これだ!」と思ったといいます。その後スイングジャーナルへの投稿がきっかけとなり評論を書くようになりました。当時の男性評論家はコード進行とか理論が中心だったけれど、「好き・心が動く」という感覚で語ろうと決めたそうです。やがて作詞家として名前が知られるようになり、日本作詞家協会に入るとそこも男社会。男の人たちの「根回しや派閥」などのやり方に合わせる必要はない。自分のやり方で誠実にいい作品で勝負すれば道は開けると考えてきたとのこと。やがて「女だから感性でいいじゃないか」という空気が逆に自分の武器になったとも。65年自身がやってきた事を一言でいえば「押し活」と語る湯川さん。女は本当に強い。傷ついても立ち上がる。人生を作り直す力があるから人類は続いてきたと語る湯川さん。そういう生き方が「だって好きなんだもん」と、それが私流だと語りました。(理事・渡邉嘉子)
