映画「ベアテの贈りもの」が完成した。ベアテとは、1945〜47年、GHQ(いわゆるマッカーサー司令部)で働いたベアテ・シロタ・ゴードン(アメリカ在住、82歳)。
贈りものは、彼女が草案を書いた日本国憲法第14条と24条のことである。
ベアテさんをテーマにして映画を作ろうというアイディアが、はじめて話し合われた時(2002年12月)には、全く夢のような話だった。しばらくは、数人の頭の中で、いろいろな想いがふくらんでいったが、何分資金の目途が全くなかったので、具体化は難しいかと思われた。しかし、志は持ち続ける内に、実現の糸口は見つかる。1年前の秋のこと、女性の権利と地位向上を職業として半生を捧げてきた一人の女性が長い官歴にピリオドを打ち、少なからぬ退職金を、大好きな映画の製作のために活用しようと考えたのである。これで勢いを得て、製作委員会を立ち上げ、監督を正式に依頼し、募金活動にも身を入れることになった。
ベアテ・シロタ・ゴードンさん。22歳の時に、日本女性のためにすばらしい大仕事をしてくれた人。今80歳を過ぎて、なお日本国憲法への熱い想いを語って疲れることを知らない。実にチャーミングな主演女優である。
今の憲法が、アメリカから押しつけられたものだから、変えるべきだと主張する人々に私は言いたい。戦後、日本中が焼け野原になっていた時、新しい国の基本になる憲法の草案を、日本人のエリートたち(女性はゼロだったが)が書き上げたが、その中には「男女平等」の一句もなかった。
戦後の日本に長く住み、日本の女性に強い愛情とシンパシーを抱いていたGHQ職員の草案がなかったら、その後の日本女性は家父長制の下で無権利状態であった戦前と大して変わることがなかったことだろう。(その方が良かったのに、と思っている人々が、多分憲法を目の敵にしているのだ)だからこそ、私たちは今の憲法を「押しつけ」などではなく、すばらしい「贈りもの」と思って、その精神を活かし、男女雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法のある日本にしてきたのだ。
この映画をみて、多くの人々がその想いを共有して
下さることを切望している。
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