一週間余り、カナダの秋を楽しんで9月25日に帰国した。その間に国連総会が開かれ、小泉首相が演説し、「平和は武力のみを通じて達成することはできないというのが我々の信念です」と言われたというのを、数日遅れで知った。この信念には、全く同感できるが、しかし、武力のみを振りかざして、主権国家の政権を打ち倒し、理由をいろいろ言いかえて正当化しようとしている強大国の政策を両手をあげて支持し、今なお反省の色もないことと、どう整合性を見つければよいのか、若い者なら「よく言うよ!」とあきれるところだ。信念は行動と一致してこそ貴いのではないか。
さらに、この演説のミソは、日本が国連安全保障理事国の常任理事国になりたいという点にあったと思われるが、それなら、中国との関係をどう考えておられるのか、との疑問を感じずにいられない。周知のように、現在、常任理事国である五カ国の内一つでも反対すれば、この問題は解決しない。そのシステムの良否はともかく、それがルールである。従って、中国がNOといえば、だめなのに、今日まで、中国との関係をひどい状態にしてしまったのは、他ならぬ首相自身ではなかったのか?靖国参拝の問題だけが原因かどうかは議論の余地があろうが、首相就任以来3年半、この大きな隣国との間で、首脳同士の交流が途絶えているというのは異常という他はない。実現する道筋が何もつけられない時に、希望を述べられても、言葉のみ空廻りして、空しい思いを禁じ得ない。首相が国連総会に出席して公用語(英語)で語るということは、大いに評価できると思うけれど・・・・・。
次いで、27日には、内閣改造が行われた。小泉氏は、これまで人事において、一種天才的なひらめきを見せてきた人だと思うが、今回はただひたすら、郵政改革実現を目指したいせいか、あっというようなことは起こらなかった。女性閣僚は5−4―3―2となり、私の予感が当たってしまい、(昨年10月のレター)まことに残念という他はない。