いよいよ参議院選挙の月を迎えた。これまでにも、非常に重要だと思う時期に行われた選挙は何度かあったと記憶しているが、今回のはまさしくその一つであろう。有権者の前に置かれている選択肢は決して軽いものではない。首班指名に直結する衆議院の選挙ではないけれども、3年間の間に現政権がたどってきた道を良しとするか、否と答えるかは十分に可能である。
小泉内閣が成立した時、私は「甘く、そして危険な香り」がすると表現した。「自民党をぶっこわす」という勇ましい表現。たしかに派閥の推薦によらない閣僚任命をし、女性大臣も一挙に五人に増やした。3年前の参院選は、この内閣の人気絶頂期に行われたといえよう。
今、甘き香りは消え、危険な香りは、残念なことに、現実のものとなった。これまで自民党の政府が、敢えて侵さなかった境界をいとも感単に踏み越えて、危険な外国へ自衛隊を送り、その延長線上で多国籍軍に参加するという決定を下した。さらに選挙戦最中の党首討論で、集団的自決権発動のため、憲法9条を改正すべしとも発言した。
この状況には、もう黙っていられないと、憲法9条を守るための9人の会など、高名な知識人、作家たちが続々と発言をする時代になった。この方達の多くは、昭和のはじめ頃の、日本が危険な道をどんどん走り出した時の記憶と現在を重ね合わせて、憂慮にたえないということなのであろう。昭和4年に生まれ、何も分からないまま、軍国少女になっていた私は、一生の内で、2度同じ危険な流れに巻き込まれたくはない。その他、年金改革法が、必要とされた抜本改革は全く先送りのまま成立したこと、その採決の方法があまりに強引であったことなど、問題は多くあり、現政権が国民の批判に耐えられるかどうかが7月11日の見どころであろう。
気がかりなのは、投票率が低いだろうという予測である。日本人はこのように重要な選挙に棄権するような鈍感な有権者なのだろうか???